NHK大河ドラマ製作費の話~現実をしっかり把握して見たい時代劇


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時代劇は現代ドラマよりも製作費が掛かりますが、NHK制作費に関する不祥事で、2006年の功名が辻から、大河ドラマの製作費は削減されています。

2005年の「義経」は1話あたり6440万円で、49話で約32億円。
2006年「功名が辻」は1話あたり6110万円、49話で約30億円。
2007年「風林火山」は1話6080万円、50話で約30億円。
2008年の「篤姫」は5910万円、50話で約30億円。
2020年麒麟がくるでの1話平均7900万円。44話で約35億円。

NHKは出演者のギャラが安くても、これだけの製作費が掛かっています。
この制作費のほとんどは「セット」や「衣装代」に消えます。

2009年の天地人からは製作費は非公開となっているのでわかりませんが、例えば、屋敷を1軒建てるだけでも、5000万円は掛かります。
<注釈> 最近は情報公開で申請すると平均額がわかるようになっている模様。
2001年の聖徳太子では、衣装代に費用がかさみ、予算を1億円オーバーしています。

民放のゴールデンタイムに放送されるドラマは、予算が1話、2000万円~高くて5000万円です。
5000万円掛かるときは、キムタクさんが出演するような場合で、NHKfは出演料がもともと安いので、民放は出演費の割合が高いです。

NHKの紅白歌合戦は製作費3億円と言われます。
NHKの場合、リハーサルもしっかり行いますので、スタッフの人件費もそれなりに掛かります。


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スペシャルドラマ「坂の上の雲」のときのように、1話あたり2億4000万円もの予算を使っています。
このように多額な予算を大河ドラマにも掛けられれば、それなりの大規模な合戦シーンなども制作できますが、現在の大河ドラマの予算では、もはや大きな合戦の場面などは作れません。
もちろん、昔と違って現在はテロやいじめなども大きな問題となっていますので、暴力描写などはあまり多用できないと言う事もあります。

ちなみに「坂の上の雲」の予算を確保する為、天地人、龍馬伝、江~姫たちの戦国~は、更に製作費を削られたと言われています。

数万人のエキストラを動員した角川映画の「天と地と」の製作費は50億円で、上映時間約120分。
大河ドラマの45分に換算すると、製作費1話19億円と言う非常にお金を掛けており、このように「予算」を掛ければ、合戦も豪華にいくつも放送できるでしょう。

2012年公開の映画「のぼうの城」は、予算に合わせる為、240分を145分にと大幅に合戦シーンを削減したと言いますが、それでも製作費は15億円です。
これも、大河ドラマの45分に換算してみると、1話約5億円掛けている計算です。
このように数億円掛けられれば、大河ドラマもお金が掛かる合戦をもっと多く撮影できる訳です。

現在の大河ドラマは、前述のとおり、高くても1話あたり6000万円の範囲で制作しないと50話作れず、途中で終わってしまいます。

2016年の現在放送中の「真田丸」も、合戦シーンが少ない、戦いがなくてオモシロクないと言うご意見を良く拝見いたします。
NHKとしては最後の「大阪の陣」で合戦シーンが存在しない訳には参りませんので、それまでの合戦シーンはほとんど小規模、もしくはカットするしか無いと言う現実があります。
もし、合戦シーンが少ないと感じるのであれば、ドラマ批判する前に、NHKに対して「大河ドラマの予算を増やすように」と意見を述べるのが正当かと存じます。

バブル景気で日本が潤っていた1988年の武田信玄の頃は全体で50億とも言われる予算であったともされ、不景気である現在は予算がない上に、昔より物価も高い訳です。
そのため、いまの大河にダイナミックさを求めても、もはやそのような制作ができないと言う「現実」を理解して、放送を見ない事には、ガッカリしてしまうだけですので、見るだけ損だと思います。

SNSなどで、皆様の意見を拝見していますと、一部の方とは存じますが、あまりにも無茶な要求をしたり、予算以上の物を求めすぎている方がいるので、あえてこのような記載をさせて頂きました。

あと、ドラマは「創作物」であり、ドキュメンタリーではありません。
ドラマは興味をもってもらったり、面白くするためま創作が入りますので、史実と異なる部分があるのは「当たり前」です。
時代劇はフィクションでございますので、予算といい、制作側の実情と現実をしっかりと理解・把握して、テレビを見たいところです。

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