
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の第22回(5月31日)放送ですが、今回のドラマ内容はとても良かったです。
いや~、ほんとよかった。
どこが良かったかって?
それは、主人公の久坂文(杉文)や、下関戦争に敗れた敗戦の将・久坂玄瑞の気持ちを見事に描いていた点にです。
夫や長州の事を思いやり、萩の台場作りにと動いて「一致団結」した武家の女性たち。
そして、優秀で長州藩を背負っていく逸材でありながら、たった1度の敗戦で信用を失墜した久坂玄瑞の苦悩。
そこに、代役として下関を任され、奇兵隊を創設した高杉晋作の思いと、居場所を失い自分にできることをと、命を顧みず脱藩して京へ赴く久坂玄瑞の決意。
これらが、見事に40分間の放送に凝縮されており、非常に「共感」を覚えました。
主人公や登場人物の生き様を、視聴者が共感できる・・。
これこそ、日本で唯一である1年間と言う長編ドラマに、求められるものなのではないでしょうか?
特に泣けるシーンなんてないのに、涙が出そうな思いで見る事ができました。
久坂玄瑞は、尊王攘夷を掲げる長州藩において、代わりになる者がいないくらい優秀な人材です。
しかし、高杉晋作も奇抜なアイデアと人心掌握術においては、引けを取りません。
奇兵隊の戦術なんて、なんでこの時代にこんな最先端の戦術を、どこで勉強したのだろうか?と不思議に思うくらい、非常に先端を斬新な物です。
そして、熱い志を持つ者が集まった奇兵隊は「一致団結」します。思いが1つだからなのですね。
久坂玄瑞も、敗戦の責任を感じており、自分の戦い方では今後も厳しい事はわかっていたはずです。
その点、発想と言う点では、高杉晋作の方が優れており、そんな高杉晋作も、なんとか久坂玄瑞の力になろうと思っていたと推測します。
しかし、久坂玄瑞は、今、自分にしかできない事をしようと、京にて潜伏して、三条実美らを説得しようと考えたのだ思います。
私だけかも知れませんが、このような行動に至る経緯と、その決意には非常に共感できます。
もし、自分も同じ立場であれば、そうするからですね。
凡人である私が、同じような立場になる事は有り得ませんが、この文や久坂玄瑞の気持ちは十分すぎるほど理解できます。
それらが、うまく組み合わさり、第22回放送では素晴らしく表現されており、感銘を受けました。
柵か玄瑞は、今後、京にて朝廷も幕府も、そして国民も「一致団結」して、攘夷ず実行されるようにと工作をしますが、またまた土壇場で失敗に終わり、長州藩は八月十八日の政変にて京を追われます。
そして、池田屋事件で宮部鼎蔵と吉田稔麿が命を落とし、窮地を打開しようと出陣した禁門の変では、大軍を相手についに無理に戦いを挑み、25歳でこの世を去ります。
優秀だった久坂玄瑞も、負け続けて不本意な人生を遂げるのです。
しかし、本人はやり切ったと言う思いで、あとの事を高杉晋作らに託して、命を捧げたのだと感じます。
良かったと思うのは、私だけかも知れませんが、これでまた6月の放送も見逃せません。
7月からは、いよいよ文が「美和」と名を改めて、毛利家の奥の女中となって仕えます。
しかし、長州藩を朝敵にした久坂玄瑞の妻と言う立場であったため、毛利家の立場を悪くしてしまったと言う事を責められて、辛い思いもたくさんしたと思いますので、その辺りもどのように共感できる内容になるのか、楽しみです。
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