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2024年NHK大河ドラマ「光る君へ」に登場するヒロイン(主人公)・紫式部（まひろ／吉高由里子さん）の弟・藤原惟規（高杉真宙さん）の乳母が「いと」。
俳優(女優)の信川清順(のぶかわ-せいじゅん)さんが「いと」の役を演じられる。

「いと」は乳母として藤原惟規を溺愛し、まひろの姫らしくない振る舞いには、やきもきさせられていると言うのが役どころ。

その「乳母」と言う女性は、どんな女性だったのでしょうか？、ちょっと調べてみました。

まず「乳母」の呼び方・読み方ですが「めのと」「ちおも」「うば」などいくつか言い方が異なりますが、どれも正解です。

乳母の役割としては、その漢字のとおり、本来は嬰児(えいじ / みどりご)に授乳することが主な役目です。
母親に代わって、赤ちゃんに乳を与える女性と言う事になりますが、母親の乳の出が良いとは限らない時代です。
現代でも、授乳でお悩みの女性も多いと存じますが、乳の量は生まれた赤ちゃんの生命にも関わるため、皇族・王族・貴族・武家、または裕福な家では、母親に代わって乳を与える乳母を雇いました。
実際に、母親と同じころに出産した女性がいないか？、親戚や知り合いなどに聞いたりして、乳母として雇うケースが多かったようです。

ただ、信川清順さんが演じられる「いと」に関しては不明なため、恐らくは時代劇の内で登場する架空(フィクション)の女性だと考えられます。

なお「光る君へ」の時代である平安時代中期頃からは、乳と言うよりは「教育」にも重点が置かれています。
よって、乳母と言っても乳を与えず家庭教師のような役割をした女性も、なかにはいたようです。

紫式部の源氏物語でも、乳母がよく登場します。
例えば、明石の君に光源氏が乳母を選び、明石に下向させる部分の説明も記載されています。

紫式部が7歳の頃と推定されますが、紫式部日記では礼装した父の姿が印象に残っていたようで、乳母が紫式部に「お父様は今日は、東宮様(師貞親王、後の花山天皇)の御読書始で副侍読を務めるのです」と話して聞かせたともされます。
また、10歳の頃、京で暴風雨があり、塀や垣根が倒れるという災害が発生。
このとき、役所の建物も多く倒壊したと女房たちが噂をしたため、紫式部は見に行こうとしますが、乳母に止められたとあるようです。

後年の話ですが、紫式部の娘・藤原賢子は、親仁親王（後冷泉天皇）の乳母に任じられています。

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