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NHKの連続テレビ小説「べっぴんさん」(2016年度後期)のヒロインである坂野惇子(ばんのあつこ)さんは、子供服専門店「ファミリア」(familiar)の創業者(4名)の一人です。

坂野惇子さんは、1918年(大正7年)4月11日に兵庫県神戸市にて生まれました。
父は、現在のレナウンの創業者であり、貴族院議員も務めた佐々木八十八(やそはち)さんで、その末娘(3娘)として誕生したとの事です。
甲南高女卒業です。

何不自由なく、神戸の山の手にて成長したヒロインの名は「坂東すみれ」です。
この「すみれ」のモデル・モチーフが坂野惇子さんと言う事になります。
ドラマで演じるのは若手の女優・芳根京子(よしね-きょうこ)さんで、2261人が受けたオーディションで選ばれました。

18歳でお見合い結婚した相手が、史実では坂野通夫(みちお)と言う事になります。
ドラマ「べっぴんさん」での、すみれのお相手設定としては、田中紀夫（永山絢斗さん）となる訳です。
しかし、空襲で罹災し、すみれ(坂野惇子さん)は、幼い長女・光子(てるこ)を連れて姉の嫁ぎ先である岡山に疎開します。
※ドラマでは近江の坂東長太郎（本田博太郎さん）一家のところに疎開。

1945年8月15日、日本は敗戦を迎えると、インフレで日本国民は困窮します。
そこに預金封鎖と財産税が課せられ、財産税を支払う必要に迫られた坂野惇子さんは、夫・坂野通夫の消息も不明であったこともあり、京都の父に相談します。
そこへ、父と共にレナウンの前身を立ち上げた創業者のひとりである尾上設蔵の長男・尾上清が宮古島から復員して来ます。
そして「これからは女性も自分で仕事をして生きていく必要がある」と諭され「生地を売りますよ」と持ち掛けられます。

程なく、夫も「すみれ丸で帰国」という報せが届き、1946年5月、坂野惇子さんらは夫の兄の借家に移り住みます。
しかし、家財道具も何一つなく、働かなくてはと考えた坂野惇子さんは、家で3歳の長女・光子の面倒を見ながらできる仕事として「洋裁」をする事にしました。
姪の洋服を縫ったのがきっかけで、ご近所の子供の洋服を頼まれるようになったのです。

やがて、父が引き払った軽井沢の別荘にあったフランスの刺しゅう糸・や英国製の毛糸などを使って、村井ミヨ子の頼みなどもあり、週1回「手芸教室」も開きました。

そして、かつてハイヒールを作ってもらった「モトヤ靴店」の元田さんが、刺しゅうの入った手提げ袋などを見て「店のショーケースを提供しますよ」と声を掛けてくれます。
この元田さんは、ドラマ「べっぴんさん」では、麻田茂男（市村正親さん）と言う事ですね。

そのため、坂野惇子さんは元同級生の田村枝津子(えつこ)さんや、田村枝津子さんの夫の姉・田村光子(みつこ)さんにも相談し、こうしてそれぞれの夫の理解も得て、3人で創業を決意。
そして、妊娠していた田村枝津子さんの助手となった不破孝子さんも加わり、開店の準備を行います。
ドラマ「べっぴんさん」においての創業者には、女学校時代に手芸クラブにいた多田良子（百田夏菜子さん）、田坂君枝（土村芳さん）も加わると言う事になります。

こうして、1948年12月4日、神戸のモトヤ靴店の中にて、陳列ケース2台の「ベビーショップ・モトヤ」がオープンしました。
坂野惇子さんが休みを取る時には、村井ミヨ子さんが店番をしたと言います。

英国製の生地や、フランス製の刺しゅう糸などで作られた良質なベビー衣料品は、初日から大変な人気となります。
数ヶ月掛けて用意した品々は、3～4日で品薄となります。
特に進駐軍のお母さん方に大変人気でした。
品質が良いと評判となり、やがて作る作業が追い付かなくなるほど、忙しくなります。

クリスマスを迎えると、坂野惇子さんは寂しい陳列ケースに、キャンディをつめたベルをセロファン紙で花のように包み、赤いリボンにて結んで飾ってみました。
「クリスマスプレゼント用キャンディベル」として売り出すと、子供向けに作ったキャンディベルは、大人のクリスマスパーティー用として大量に売れ、毎日、キャンディを詰める作業に追われたと言います。

経営は軌道に乗り始め、1949年12月、モトヤ靴店の隣に空き店舗ができ、わずか3坪ながらもベビーショップ・モトヤは独立店舗を構えます。

やがて付近のレナウン・サービス・ステーションが撤退する際に、その跡地に店舗を移して、1950年4月12日、株式会社ファミリアとして、神戸市生田区三宮町2丁目328番地に開店しました。
ファミリアと言うのはフランス語で「家族」と言う意味。
坂野惇子さんが代表取締役に就任しました。

ファミリアが成功を納めたのは、単に商品の品質が良かっただけではありません。
接客が超一流であったと言う事で、ファミリアの店員の接客術は、阪急百貨店の模範にもなり、大きな影響を与えています。
ちなみに、ドラマの中でのお店の名前は、子供用品店「キアリス」となります。

なお、坂野惇子さんは2005年に87歳で他界されました。

「べっぴんさん」の脚本は、フリーアナウンサー・羽鳥慎一さんの奥様である渡辺千穂さんです。

2016年(平成28年)度後期–連続テレビ小説「べっぴんさん」
放送予定は2016年10月3日(月)～2017年4月1日(土)の全151回
スケジュール
2016年1月～2月/ヒロインオーディション
2016年4月/ヒロイン決定、主要出演者発表
2016年5月/クランクイン

お時間が許せば、下記も合わせてご覧頂けますと幸いです。

・ＮＨＫ朝ドラ「べっぴんさん」のヒロインに選ばれた芳根京子さんとは？
・土村芳さんとは～NHKべっぴんさんで田坂君枝を演じる将来有望な新鋭女優さん
・谷村美月さんとは～NHKべっぴんさん「小野明美」のモデルは大ヶ瀬久子さん
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