ジャマイカが下町ボブスレーを使わない理由~性能の問題?

下町ボブスレー

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2018年韓国で開催される平昌オリンピックのボブスレー競技。

冬季オリンピックを目指す、東京のモノづくり大田区「下町ボブスレーネットワークプロジェクト」が、地元の中小企業(町工場)の技術力を結集して制作している「ボブスレー本体」を、ピョンチャン・オリンピックにて、ジャマイカチームが使用すると言う契約が成立しています。

2016年1月、ジャマイカ代表が長野ボブスレー・リュージュパークで4日間テスト滑走し、正式に採用が決定しました。
こうして、下町ボブスレーは、ジャマイカと世界に挑戦することになったのです。

しかし、もともと、下町ボブスレーは、国産のソリということで、日本代表チームに採用してほしかったのです。
でも、テストの結果、2015年11月に日本のボブスレー協会は不採用を決定しました。

不採用の理由は、簡単ですね。
他に優れたソリがあったからです。
下町ボブスレーの性能では満足できなかったと言うことでしょう。


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試乗者さんの感想としては・・。

他のそりに比べて、誰かがブレーキをかけているかのように遅い。

試験走行では、他のメーカーのそりより、下町ボブスレーは、2秒ほど遅かったそうです。
たかが2秒と思われるかも知れませんが、仮に時速80kmの場合、2秒違うと、44mくらいの距離差となります。

でも、日本は不採用ですが、ジャマイカは採用決定した訳です。
もちろん、ジャマイカの技術ディレクターも交えて新型ソリを開発・製造し、安倍総理大臣の表敬訪問も受け、順調かと思われていました。
2017年11月には、カナダでのノースアメリカンカップにて、ジャマイカ女子チームが下町ボブスレー新10号機を使用し、銀メダルを獲得もしています。

下町ボブスレーは、ジャマイカチームに無償提供されています。
でも、当然、開発・製造にはお金がかかるわけですが、そのあたりは企業スポンサー・寄付などで賄っており、多くの人の思いによりジャマイカのためにと提供されています。

しかし、なんで、ジャマイカは冬季オリンピック直前になって、下町ボブスレーのソリを使わないと言ってきたのでしょうか?
それには、下記の理由があるようです。

2017年12月9日にドイツで開催されたワールドカップにて、日本から空輸された下町ボブスレーですが、輸送業者のストライキでジャマイカチームには届きませんでした。
そのため、急遽、ジャマイカは、ラトビア製のボブスレーを使用したとのことです。

代替品のラトビア・ボブスレーで挑むと、ジャマイカチームは7位と言う好成績を挙げました。
そして、下町推進委に「日本製は高速域を伸ばす必要がある」と注文を付けています。
これに対して、すぐに部品を改良し、ジャマイカ連盟指定のオーストリア人技術者より「下町ボブスレーの方が速い」という評価も得ました。
しかし、ジャマイカチームがその後のW杯でも使用したのは、ラトビア製のソリだったのです。
ドイツに送られた下町ボブスレーは空港で放置されていたとも言います。

例えば、韓国チームも、韓国の自動車メーカー・ヒョンデが開発したソリを試しましたが、ラトビア製を採用しています。
平昌スライディングセンター。コースは、カーブが多く、ポイントとなる9番・10番のカーブで安定していたことから、選手の意見でラトビア製に決まったそうです。

ラトビア製のボブスレー

チームや選手の心理としては、急遽用意したラトビアBTC製のほうが性能がよく、良い記録も出ると分かってしまったら、平昌オリンピックのハレの舞台では、日本製を使いたくないと思うのは、当たり前の心情ではあるかと存じます。

ただし、その後、このラトビア製のボブスレーを用意していたドイツ人コーチのサンドラ・キリアシスさんが突然辞任して、チームを離脱し、コーチ所有だったボブスレーを持って韓国を去りました。
そのため、今度は、ジャマイカ女子チームは、オリンピックに出場危機に陥ります。
ところが、そのニュースを見たアメリカのビール会社である、レッドスプライプ社が、ツイッターを使ってジャマイカチームへ支援を呼びかけるとジャマイカサイドが反応します。
こうして、交渉がまとまり、約610万円での支援が行われるようになり、ジャマイカは、新しいソリを受け取りました。
この時、日本の下町ボブスレーも、再び、使用してもらえるよう「無償提供」として交渉したようですが、それでも、選んだのはレッドストライプ社が用意したボブスレーと言うことになります。

いずれにせよ、競技に参加が出来るようになったのは、非常に良かったと存じますが、下町ボブスレー側も、2017年にジャマイカ・ボブスレーチームが資金難で国際大会に出場できないと聞くと、下町ボブスレー合同会社などは年間数千万円単位のサポートとして活動資金の支援も行っていました。
それにもかかわらず、今になって、他社のボブスレーのほうが優れているからと、使用しないと覆すのは、提供者としては、裏切られたと言う思いが強いのは当たり前ですよね。
協力してくれたたくさんの企業やスポンサーに対しても、お詫びのしようも無い訳です。
もちろん、選手の心情としては、出場するからには、1秒でも早く、良い成績を納めたいと言う気持ちがあることは非常によくわかります。
しかし、五輪で必ず使用すると言う契約になっているのであれば、ボブスレー女子2人乗りのジャマイカ代表チームが下町ボブスレーを使わないのは、重大な契約違反となるのは間違えありません。
どんな競技だって、提供された物よりも、他所のほうが良いからと、契約違反をして他のものを使うということは無いわけです。
下町の推進委も、少しでも早くと言う思いで、製造して来たわけですし、やっぱり使いません、違約金も支払いませんと言うのが、曲がり通ることになりますと、オリンピックに限らず、すべての取引において正常な活動は行えません。
これを認めてしまえば、また同じことが繰り返されます。
メダルを取りたいと言う、選手のお気持ちは、本当に重々良くわかりますが、承諾済みの契約というものは、もっとも大切に守らなくてはならない事項です。

ジャマイカ・ボブスレー・スケルトン連盟と下町ボブスレーが交わしたソリ使用に関する契約内容は、下記のとおりです。

使用されなかった場合に推進委は、そりの開発費と輸送費の合計額の4倍となる6800万円(そり1台あたり)の損害賠償を請求できる。

もちろん、契約上の話ですので、契約内容に基いて、違約金が支払われるなどきちんとした対応が取られれば、契約上は問題ない話です。

まだ、オリンピックの試合直前まで、どうなるのかわかりませんが、契約上のとこは差し置いて、ジャマイカチームが、どのソリを最終的に使用したとしても、応援する気持ちは変わりません。
また、下町ボブスレーのお陰で、日本でも大きく馴染みがあるとは言えない、ボブスレーが注目されているのも、大変良いことだと存じます。


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ともあれば、韓国平昌はとっても寒いようですので、南国の皆様も体調管理などご注意願いたいと存じますが、できれば、下町もジャマイカも、新たな良いニュースで暖かな空気に包まれるよう、円満な解決を望みます。

ちなみに日本代表のボブスレーは、ドイツ製のソリを使用しますが、これも、独特の判断です。
平昌オリンピックのボブスレー、注目ですね。

ピョンヤン・オリンピックのボブスレー(女子2人乗り)競技日程は、1・2回戦が、2018年2月20日(火)の20時50分から(テレビ生中継なし)。
ボブスレー女子2人乗りの 3・4回戦(決勝)は、2月21日(水)20時40分から(テレビ生中継なし)です。

平昌オリンピックのテレビ放送中継時間・競技一覧番組表
戸塚優斗選手(スノーボード・ハーフパイプ)平昌オリンピック出場
齋藤仁美選手・齋藤慧選手【ショートトラック】
鬼塚雅さんプロフィールと経歴 2018年ピョンチャンオリンピック「スノーボードスロープスタイル」
高木美帆さんプロフィールと経歴 2018年ピョンチャンオリンピック「スピードスケート」1500mす
小野塚彩那さんプロフィールと経歴 ピョンチャンオリンピック「フリースタイルスキーハーフパイプ」
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