坂本龍馬はこんな人~海援隊が出版した英語辞書?

坂本龍馬

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幕末の風雲児、坂本龍馬(さかもとりょうま)。
好きな歴史上の人物ランキングでは常に上位にランクインしており、国民的な人気を誇っています。大河ドラマ龍馬伝』では、福山雅治さんが龍馬を演じていましたね。
龍馬が結成したことで有名なのが海援隊。貿易のイメージが強い海援隊ですが、実は出版業も行っていて、和英辞典を出版していました。

坂本龍馬ってこんな人

龍馬は天保6年(1835)に、現在の高知県にあたる土佐国に生まれました。幼少時代は寝小便たれで、泣き虫などのエピソードが残されています。
28歳の時に脱藩(藩の許可なく、自分の藩から出ること)をすると、下関や大坂、京都を経て江戸に向かいます。若い頃に江戸遊学をしてから、攘夷思想を持っていたものの、江戸で出会った勝海舟によって攘夷思想を論破されて開眼。そのまま勝先生に弟子入りをしたとされています。


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その後は海援隊の前身である亀山社中を長崎に設立。亀山社中の事業で薩長同盟締結に貢献しました。
さらに、龍馬が長崎から兵庫に向かう船の中で完成させた船中八策は将軍・徳川慶喜に提出され、大政奉還が成立したのです。
しかし大政奉還から1か月後、龍馬は京都の近江屋で何者かに暗殺されてしまいました。

海援隊ってなに?

海援隊の前身は亀山社中で、脱藩した龍馬が薩摩藩の援助を受けて設立しました。龍馬の偉業の1つに挙げられる薩長同盟の締結ですが、これには亀山社中が大きく関わっています。
龍馬は開港後の長崎でイギリス人商人のトーマス・グラバーと武器の取引を行いました。その武器を薩摩名義で長州に送り、長州には薩摩名義で兵糧米を送ることで、最悪だった両藩を和解させ、薩長同盟を締結させたのです。亀山社中なくして、明治維新はなされなかったかもしれませんね。

慶応2年(1867)に龍馬の脱藩罪が許されると、亀山社中は名前を海援隊と改め、土佐藩のオフィシャル組織になりました。同時に、龍馬は海援隊の隊長となります。ちなみに、海援隊という名前は「海から土佐藩を援助する隊」という意味が込められています。
海援隊への入隊条件は

1.脱藩している者
2.海外の志がある者

以上、2点!
これを満たしていれば、浪人・武士・町人…どんな身分の人でも受け入れました。

海援隊が出版した英語辞書

主に貿易や海運業を行っていた海援隊ですが、実は出版業もしていました。
海援隊が出版した『藩論』『閑愁録』『和英通韻以呂波便覧』は海援隊三部作と呼ばれています。
その中の一作、『和英通韻以呂波便覧』はアルファベットの一覧と、数字・季節・時刻・干支などの、英単語とその読みが書き記された簡易的な和英辞書です。

海援隊が出版した英和辞典

「STAR(=星)」を「スタル」と読むなど、いくつか読み方が少し違っている部分も・・・。
しかし、開国から10年ちょっとしか経っていない時代に、海援隊の隊士達は、きっと、必死に聞きなれない外国語を聞いて、集めたに違いありません。

序文には

「外国の言葉が通じず、文字が分からなければ、貿易の際に誤解が生じることになるだろう。誤解が生じれば我が国にとって、損害が生じるに違いない。」

と、書かれています。貿易業をしていた海援隊らしい危機感ですよね。

辞書が出版される数か月前に龍馬は暗殺されているため、この辞書は残された海援隊の隊士の手によって出版されたことになります。
辞書の出版事業に龍馬が関わっていたかは不明です。


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しかし、「海外に行きたい」という夢を抱き、海援隊の入隊条件に「海外に志がある者」を掲げるなど、早くから外国に目を向けていた龍馬。
もし関わっていたら率先して、出版の作業に取り組んでいたかもしれません。
『和英通韻以呂波便覧』はそんな龍馬の遺志が込められた1冊だったのですね。

(寄稿)中みうな

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中みうなWebライター

投稿者プロフィール

歴史学科卒業。専攻は明治の外交・文化、お雇い外国人など。
日本キリスト教史や出島などの長崎の歴史も。
2017年よりライターとして活動。日本の歴史を中心にWebメディアで執筆。歴史初心者の方にもわかりやすく、印象に残る記事を目指しています。

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