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いだてん 大河ドラマ過去最低の視聴率 原点に戻ることを期待しつつドラマの感想
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2019年NHK大河ドラマ「いだてん」の放送が最終回を迎えまして終了しました。
最終回の視聴率は関東で8.3%、関西で7%でした。
全47回の期間平均視聴率は、関東地区で8.2%、関西地区で7.1%です。
この視聴率は、過去最低だった2015年「花燃ゆ」(吉田松陰の妹が主役)と、2012年の「平清盛」の12%を大きく下回って、大河ドラマで初めての1桁台を視聴率を記録しました。
特に、2019年10月13日の放送では、ラグビーワールドカップ「日本-スコットランド」が民放にて同時間帯に放送された影響があり、大河ドラマで過去最低の3.7%と、大河史上ワーストを更新しています。
今回は、なんで視聴率が低かったのか?、ドラマはおもしろくなかったのか?など、全放送終了と言う事で、誠に勝手ではございますが、個人的に感想を残しておきたいと存じます。
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まず「いだてん」の視聴率が低かった要因としては、大きく分けて2点あるかと存じます。
・戦国時代の時代劇ではなかった
・東京オリンピックに関わった人物の話ではなく、直接関係ない落語家の話が混じっていた
もともと有料放送の番組「大河ドラマ」と言う事で、長年のファンがいます。
アメリカでは何年も放送するドラマがいくつかありますが、日本で1年間、毎週放送するドラマは大河だけですので、期待も大きいです。
そして、大河ファンは、少なくとも、そもそも日本の歴史が好きな方が多いと存じます。
そのため、いだてんの1月6日の初回放送の視聴率は15.5%と、西郷どんの初回15.4と比べてもと、そん色ない好スタートでした。
ところが、視聴率はだんだん下降し、6回目の放送で9.9%となると、以降、10%以上に回復することはありませんでした。
大河ドラマでは、毎回、戦国時代を行う訳ではありませんが、やはり、視聴率が取れるのは、幕末や鎌倉時代ではなく「戦国時代」です。
その点、今回は、久しぶりに「近代史」になった訳ですので、NHKの受信料を納めている往年の大河ファンからすれば、非常に迷惑な話です。
その分、視聴率は低迷すると最初から予想されていましたが、それでも初回放送は15%あったわけです。
要するに、最初は、宮藤官九郎さんの脚本と言う事もあり、西郷どん並みに「期待」されていました。
しかし、2020年のオリンピックを盛り上げようと試みた、NHKの思惑も、うまくは行きませんでした。
2013年の連続テレビ小説「あまちゃん」で話題となった宮藤官九郎さんが、大河ドラマの打診を受けて、オリンピックを題材にすることをNHKに提案し、脚本を手がけました。
1年間のトータルで考えますと、おもしろ、おかしく、最後まで、どのような内容で伝えるのか?、非常によく考えて作られた作品だったと感じます。
しかし、序盤で視聴率を落としたのは、やはり、視聴者の期待を裏切ったからです。
作品にのめり込めなかったんですね。
例えば、三谷幸喜さんのように、いつも脚本に一定の法則があって、その路線で描くので視聴者も期待していると言う事ではなく、宮藤官九郎さんは、新しい描き方を実践し過ぎたと申しましょうか?、斬新的なアイデアが多く、それに視聴者がついて行けなかったと言うところだと存じます。
特に「落語」は全く不要でした。
純粋に、オリンピックに直接関わった人物のストーリーを皆様期待していたところ、余計な落語が入ってしまい、そのお陰で時代も行ったり来たりしたため、ついていけなくなった方が半分くらいいたと言う事です。
斬新な手法と言う事だとは存じますが、落語ではなく、普通にナレーションでよかったと存じますので、要するに、見たいものがみれないと言う、期待を裏切られた訳です。
落語ファン向けのドラマではなく、大河ファン向けのドラマですので、視聴者の気持ちが理解できていなかったと言う事ですね。
昔風に申し上げれば、時代劇が見たくて芝居小屋に入ってみたら、落語が多く入っていたといったところでしょうか?
これは商品開発では、当たり前に考えなくはならない事でして、その商品を使う人の事を第一に考慮して、商品を作らなくてはなりません。
その点、従来のファンのことを、少し理解が足りていなかったところがあったのかな?と感じます。
すでに、何年も売れている商品の場合、路線を大幅に変えるのはよくありません。
マイナーチェンジを行って、常に進化させて行く必要はありますが、ガラッと変えてしまえば、顧客を失います。
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宮藤官九郎さんがあみ出した「いだてん」は、個人的には、とても感動しました。
感動させるのがうまいのですが、金栗四三、嘉納治五郎、田畑政治と、そもそも大河としては適合していない題材なので、感動も、ものすごく感動はしないのです。
もともと、その火との事を、知らないんですもん。
今後、ドラマとしての評価は上がるのではと感じていますが「大河ドラマ」としては、間違えなく失敗したと存じます。
このように、そもそも、オリンピックを題材にしたのが、いけなかったと存じますが、顧客がある程度いる大河の枠でなく、固定観念が無い「新規」のドラマ枠、別の時間で放送と言う事であれば「いだてん」は、ぜんぜん、成功できる、とても良い素晴らしい内容でした。
しかし、大河ブランドで、それを行っては、いけないんですね。
このあたりは、脚本家さんの問題ではなく、方向性を示す監督がしっかりと、ファン層の期待を理解して、答えるべくコントロールする必要性があります。
おいしいラーメン屋さんでも、定番メニューを、違うものに変えてしまえば、お客さんを失いかねません。
視聴率を上げるためには、ファンの期待に答えつつ、新規開拓を行うと言うマイナーチェンジでなくてはならないのです。
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NHKとしても、一度失った信頼を回復させるのは、とても大変です。
幸い、2020年は明智光秀「麒麟がくる」で、戦国ものですで、まだ良かったのですが、それで大河ファンが全員戻ってくるとは思えません。
2021年は、明治維新で渋沢栄一と、またガックリしてしまいますのでね。
その後、大河ドラマは、もう、戦国時代に絞ったほうが、大河ファン層を更に定着できると存じます。
もし、大河が放送なしになるような時代になれば、それこそ、NHK受信料、不要論が更に活発化する可能性もありますので、今後は「定番」と言う原点に戻って、また優れた作品に期待したいと存じます。
個人的には、宮藤官九郎さんの脚本にて、戦国物を見てみたいです。(^-^)
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